保険会社は提出された書類や現地調査の結果を踏まえて保険金額を決定します。

破損・汚損の申請手順

ガラスの破損
火災保険では、火災に対して補償が行われるのはもちろんですが、それ以外にも様々な項目が補償の対象となっています。

その内の一つに、破損・汚損に対する補償というものがあります。
しかし、この言葉を聞いただけではおそらく多くの方が「どんな補償なの?」と思われるはずです。
そこで以下では、破損・汚損補償の中身と申請の手順について紹介していきたいと思います。

 

破損・汚損補償とは

火災保険に加入している方はご存知だと思いますが、火災保険には通常、破損・汚損に対する補償がオプションという形で備わっています。
さて、そこで重要になるのが破損・汚損補償とはそもそも何なのかというところです。
簡単に言えば破損・汚損補償とは、不測かつ突発的な出来事(事故)によって建物や家財が損害を受けた場合に行われる補償ということになります。
ですから、「不測かつ突発的な出来事」が原因でない限りは、建物や家財に損害が発生したとしても破損・汚損補償の対象とはならないということになります。
そして、そこで問題になるのが何が「不測かつ突発的な出来事」というところです。
これについては、通常の火災保険において補償されている項目はこれには該当しないということになります。
具体的には、火災や風災、水災、落雷などによる損害です。
ですので、破損・汚損補償が対象としているのはこれらの項目以外の原因による損害ということになります。
しかし、このような説明ではいささか分かりにくいと思いますので、具体的なケースを挙げてみたいと思います。

 

家財の破損・汚損の例
  • 模様替えのためにテレビを運んでいたら誤って落としてしまった
  • 子供が投げたおもちゃなどが食器に当たってしまい、割れたりひびが入ってしまったりした

 

建物の破損・汚損の例
  • 家具を運んでいる途中に誤って壁にぶつけてしまい、穴が開いたりへこんでしまったりした
  • 子供が室内で遊んでいて誤って窓ガラスを破ってしまった

 

申請の手順

破損・汚損の申請手順をチェック

 

それでは次に、実際に損害が発生した場合の申請の手順について見ていきましょう。
破損・汚損が発生した場合には、以下の手順で申請を行います。

 

 

 

  • 手順1:保険会社への連絡
  • 損害が発生した時にまず初めに行うのは保険会社への連絡です。
    保険会社の番号に電話をかけ、まずは破損・汚損補償の対象となる損害が発生したことを伝えましょう。
    そして、申請に必要な書類の送付を要求します。
    尚、ここで重要なのはあくまでも書類の送付を要求するということであって、被害状況を伝えるということではありませんので、この点には注意が必要です。

     

  • 手順2:必要書類の準備
  • 実際の被害状況を伝えるためには、いくつかの必要書類を保険会社に提出しなければなりません。
    必要書類の中には保険会社から送付されるものも含まれますが、契約者自らが調達しなければならないものもあります。
    被害状況を伝えるためにはそれらの必要書類を全て準備し、保険会社に提出することになります。
    具体的には、修理工事の見積書、罹災証明書、被害現場の写真等々が必要になります。

     

  • 手順3:現地調査
  • 被害の規模によっては、保険会社の派遣する鑑定人によって現地調査が行われることがあります。
    鑑定人が現地調査を行った後、その調査結果を持ち帰って保険会社が支払いを行うかどうかの判断材料にします。

     

  • 手順4:保険金の額の決定
  • 最後に、提出された書類や現地調査の結果を踏まえて、保険会社は保険金の額を決定します。
    上記の手順を全て行った上で破損・汚損補償の対象となると判断され場合に保険金が支払われることになり、
    補償の対象とならないとされた場合には保険金は支払われないということになります。